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不動産投資の確定申告は初年度が最重要。経費・手続き・融資へのつなげ方

不動産投資の確定申告による節税とキャッシュフロー改善を通じて、融資につなげるイメージ
執筆者氏名 「お金のトリセツ」編集部
所属 セゾンファンデックス
執筆日 2026年02月02日

「会社員だから年末調整しか経験がなく、何から手をつければいいのか分からない」 「段ボール一杯の書類を前にして、整理できる気がしない」 「もし間違えて、税務署からペナルティを受けたらどうしよう……」

こうした不安は、実はほとんどの投資家が通る道です。しかし、過度に恐れる必要はありません。初年度の確定申告には、「ここさえ押さえておきたいポイント」が存在します。

そして何より重要なのは、初年度の申告を正しく理解すれば、投資全体の収益構造(キャッシュフロー)が見えやすくなり、2件目以降の投資判断がより取りやすくなるということです。

この記事では、複雑に見える初年度特有のポイントを、専門用語をできるだけ噛み砕いて整理しました。読み終える頃には「確定申告の手順」だけでなく、「節税の仕組み」や「この先どこまで投資を広げるべきか」という投資家としての考え方も理解できる内容になっています。

不動産投資の確定申告は毎年必要ですが、初年度だけは対応すべき内容が特に多くなります。理由はシンプルで、物件を取得した直後にしか発生しない作業が一気に重なるからです。

なぜ“初年度”だけこんなに複雑なのか?

たとえば、以下のような判断が求められます。

  • 取得費の仕訳: 物件購入時に払ったお金のうち、どれが「一括で経費になるもの」で、どれが「減価償却(数年かけて経費化)するもの」なのか。
  • 登記関連の書類: 普段見慣れない「登記事項証明書」や「売買契約書」から、必要な数字をどう拾い出すか。
  • 減価償却のセットアップ: 建物と設備の耐用年数をどう設定するか。
  • 契約関係の整理: 管理会社、ローン会社、保険会社との契約書類の管理。

加えて、もし「青色申告」を選ぶなら、承認申請の期限も関わってきます。これらを普段の仕事と並行して処理しなければなりません。

逆に言えば、この初年度の対応を一通り整理できれば、2年目以降は手続きの負担が軽くなる傾向があります。 仕組みさえ作ってしまえば、あとは毎年のルーティンワークになるからです。初年度は、今後数十年続く投資家人生の「基礎」を固める節目となる年なのです。

まず押さえたい“初年度の3つの本質”

具体的な手順に入る前に、初年度に注意しておきたい「3つの本質」を押さえておきましょう。これを知っておくことで、影響の大きいミスを避けやすくなります。

① 取得費の扱いが、今後の決算を大きく左右する

不動産投資では、建物部分の価格を「減価償却費」として、毎年少しずつ経費に計上していきます。この計算の基礎になる「土地と建物の金額割合」は、初年度に決めることになります。

土地は経費(減価償却)になりませんが、建物は経費になります。つまり、契約内容に基づいて正しく建物の比率を適切に算出しないと、本来経費にできたはずの金額を何年にもわたって計上できなくなる可能性があります。後から修正するのは手間がかかるため、初年度の重要なポイントの一つと言えます。

② 青色申告の承認は、期限管理が重要

不動産投資で「青色申告」を選ぶと、最大65万円の特別控除が受けられます。これは、売上が変わらなくても経費が65万円増えるのと同じ効果があり、節税につながる制度です。

ただし、これを受けるには「青色申告承認申請書」という書類を、物件の貸付を始めてから2ヶ月以内(またはその年の3月15日まで)に税務署へ提出する必要があります。

「確定申告の時期に出せばいい」と考えていると、期限を過ぎてしまう場合があります。期限を過ぎた場合、その年は白色申告となり、青色申告特別控除は適用されません。

③ 初年度は「あえて赤字」になりやすい

「不動産投資は黒字にしないといけない」と考える方も多いかもしれませんが、初年度に関しては帳簿上、赤字になるケースも珍しくありません。

初年度は、登録免許税や不動産取得税、ローンの手数料など、購入時特有の諸経費が発生します。そのため、会計上は赤字になりやすいのです。

この赤字は、会社員の給与所得と相殺(損益通算)できる場合があります。給与という「プラス」から不動産という「マイナス」を差し引くことで、課税される所得総額が減り、源泉徴収されていた所得税が還付される仕組みです。こうした制度を理解しておくことで、確定申告の意義を整理しやすくなります。

必要書類は“入手元”と“タイミング”で整理する

初年度は書類の量が多くなりがちですが、入手ルートごとに整理すれば、管理しやすくなります。大きく3つのカテゴリに分けて考えましょう。

1. 取得時の書類(不動産会社・司法書士から受領)

物件を購入した時点で手元にある書類群です。

  • 売買契約書・重要事項説明書: 物件価格や購入日が記載されています。
  • 売買代金の領収書・精算書: 固定資産税の精算金や仲介手数料の内訳が分かります。
  • 登記事項証明書: 法務局で取得できますが、決済時に司法書士から渡されているケースもあります。
  • 譲渡対価証明書(中古の場合): 消費税の計算に必要になる場合があります。

これらは「減価償却費」の計算に関係する重要な書類です。紛失すると再発行に時間がかかるものもあるため、専用のファイルを用意して保管しておくと安心です。

2. 運用開始後の書類(管理会社・自治体などから受領)

日常的に発生する収入と支出に関する書類です。

  • 家賃送金明細・精算書: 管理会社から毎月(またはWebで)送られてくるレポートです。家賃収入だけでなく、管理費や修繕費が差し引かれている場合はその経費証明にもなります。
  • 領収書(修繕費など): 突発的な修繕や備品購入のレシートです。
  • 固定資産税等の納税通知書: 毎年春〜初夏に自治体から届きます。領収印のある半券や、口座振替の通知書も保管しましょう。
  • 火災保険証券: 長期契約している場合、その年に経費計上できる金額を計算するために必要です。

3. 融資関連の書類(金融機関から受領)

ローンを利用している場合、年末(10月〜11月頃)に金融機関から「返済予定表」が送られてきます。

ここには、1年間の返済額のうち「元本」と「利息」の内訳が記載されています。経費になるのは「利息」部分のみで、元本返済分は経費になりません。この区分を行うために必要な書類です。

確定申告の手順は、意外とシンプル(6ステップ)

書類さえ揃えば、あとは手順に沿って数字を埋めていくだけです。現在では会計ソフトも充実しているため、手書きで計算する必要はほとんどありません。

Step 1:取得費(建物部分)の金額を確定させる

まず、売買契約書を見て「物件価格」を確認します。土地と建物の価格が分けて記載されていればそのまま使いますが、総額しか書かれていない場合(個人間売買など)は、固定資産税評価額の比率を使って按分計算する必要があります。ここは初年度の中でも判断に迷いやすいポイントのため、状況によっては税理士などの専門家に相談するのも一つの方法です。

Step 2:減価償却費を計算する

建物価格が決まったら、それを何年かけて経費にするか(耐用年数)を決めます。

  • 新築の場合: 木造22年、鉄骨造34年(厚さによる)、RC造47年など、法定耐用年数を用います。
  • 中古の場合: 「(法定耐用年数 − 経過年数)+ 経過年数 × 0.2」といった計算式(簡便法)を用います。これにより、中古物件は耐用年数が短くなり、単年度あたりの経費額が大きくなる傾向があります。

Step 3:1年間の収支を整理する

家賃収入、管理費、修繕費、保険料、ローン利息など、すべての収入と支出を会計ソフトに入力します。

ポイントは「発生主義」です。たとえば12月分の家賃が翌年1月に入金される契約の場合でも、12月分の収入として計上する必要があります。

Step 4:その他の控除証明書を揃える

不動産投資以外の控除についても確認します。会社員の方は、勤務先から発行される「源泉徴収票」が必要です。また、医療費控除やふるさと納税の証明書がある場合は、それらも用意しておきましょう。

Step 5:申告書を作成する

国税庁の「確定申告書作成コーナー」や会計ソフトを使えば、画面の案内に従って入力することで、税額が自動計算されます。

  • 青色申告決算書(または収支内訳書): 不動産事業の成績をまとめた書類
  • 確定申告書B: 給与などの他の所得と合算して税額を計算する書類これらを作成します。

Step 6:e-Taxで提出する

作成した申告データは、e-Tax(電子申告)で提出する方法があります。

e-Taxを利用すると、「青色申告特別控除65万円」が適用されます(紙で提出する場合は55万円)。マイナンバーカードとスマートフォンがあれば自宅から申告でき、添付書類の郵送が省略できるケースもあるため、手続きの負担を軽減しやすくなります。

経費にできるもの・できないものの「境界線」

不動産所得を正しく計算するためには、経費の線引きを理解しておく必要があります。「なんでも経費にする」のは適切ではありませんが、「経費になるものを計上しない」場合も、結果として不利になる可能性があります。

経費にできる主なもの

  • 租税公課: 固定資産税、都市計画税、不動産取得税、登録免許税、印紙税
  • 損害保険料: 火災保険、地震保険、施設賠償責任保険など
  • 減価償却費: 現金支出はありませんが、帳簿上の経費として計上されます
  • 借入金利子: ローンの利息部分のみ
  • 管理費・修繕費: 管理委託料、修理代、クリーニング費用など
  • 税理士報酬
  • 交通費・通信費: 物件確認のための電車代やガソリン代、管理会社との連絡に要した費用 ※私用と共用している場合は、使用割合に応じた家事按分が必要です。

経費にできないもの

  • 借入金の元本返済: 借金は「負債の減少」であり、経費(費用)ではありません。ここを間違えると収支が大きく狂います。
  • 自宅関連の費用: 自宅の家賃や光熱費は、事業用として使用していない限り経費にはなりません。
  • 資産性の高い工事(資本的支出): ここが迷いやすいポイントです。修繕費と資本的支出に分けて解説します。
  • ↳修繕費: 「壊れた給湯器を同じグレードのものに交換した」「破れた壁紙を張り替えた」など、原状回復のための費用。その年の一括経費になります。
  • ↳資本的支出: 「和室を洋室にリノベーションした」「最新のシステムキッチンに入れ替えた」など、物件の価値や性能を高める工事。これは資産として計上し、減価償却する必要があります。判断に迷う場合は、「20万円未満なら修繕費」「おおむね3年以内の周期で行う修理なら修繕費」といった形式基準が参考になることもあります。

節税の仕組みを"ストレスなく理解する"

不動産投資では、節税の仕組みを理解することで、収支の見え方が整理しやすくなります。

初年度は取得費や手数料が重なり、会計上は赤字になるケースもあります。会社員の場合、この赤字を給与所得と相殺(損益通算)できることがあります。給与所得というプラスから、不動産所得のマイナスを差し引くことで、課税所得が減り、源泉徴収されていた所得税が還付される仕組みです。

また、減価償却費は、実際の現金支出を伴わずに帳簿上の経費として計上できる点が特徴です。

「手元には家賃収入がある一方で、帳簿上は赤字となり、結果として税負担が軽減される」

このような状態がどのように生じるのかを理解しておくことで、不動産投資における確定申告の役割を整理しやすくなります。

複数戸を持つと、収支はどう変わるのか?

「初心者はまず1戸から」と言われることがありますが、1戸のみの運用と比べて、複数戸を保有することで収支の安定性が高まるケースもあります。

① 空室リスクの分散

1戸のみを保有している場合、退去が発生すると家賃収入が途絶えます。ローン返済がある場合は、自己資金で補う必要が生じることもあります。

一方で、複数戸を保有していれば、1戸が空室になっても、他の物件からの家賃収入によって返済を補える可能性があります。

② 修繕費の平準化

給湯器やエアコンなどの設備は、いずれ修繕や交換が必要になります。1戸のみの場合、その年の支出が収支に与える影響が大きくなりがちです。

複数戸を保有していれば、他の物件の収支と合わせて全体で吸収できる場合があり、年間収支の変動を抑えやすくなります。

③ 減価償却のコントロール

築年数や構造(木造・RCなど)が異なる物件を組み合わせることで、減価償却費の計上期間を分散したり、特定の年の経費額を調整したりといった運用が検討しやすくなります。

これにより、長期的な視点で収支や税負担を整理することが可能になります。

もちろん、管理の手間は増えますし、より丁寧な資金管理が必要になります。ただし、「規模が大きくなるほど、1つのトラブルによる影響が相対的に小さくなる」という点は、多くの投資家が感じているポイントです。

"投資拡大"を考えたときに直面する「資金の課題」

複数戸への拡大を検討する際、多くの投資家が意識するのが資金面の課題です。

「2件目を検討したいが、再びまとまった自己資金を用意する必要がある」「既存のローンがある中で、追加の融資が受けられるのか不安」

こうした点を考えるうえで、不動産投資ローンの仕組みを理解しておくことが重要になります。

自己資金が十分に貯まるのを待つ以外にも、年収や勤務先といった個人の属性や、1件目の物件の収支状況によっては、金融機関から追加融資を検討してもらえる場合があります。

また、「ローンの借り換え」によって金利条件を見直し、毎月の返済額を抑えることで、キャッシュフローの改善につなげる方法も考えられます。

こうしたファイナンス面の検討は、一人で判断するよりも、融資の仕組みに詳しい専門家と数値を整理しながら検討することで、より現実的な選択肢を把握しやすくなります。

初年度によくあるミス(事前に知っておきたいポイント)

最後に、初年度に起こりやすい事例を紹介します。あらかじめ把握しておくことで、対応しやすくなります。

  • 減価償却の計算ミス: 土地と建物の割合を誤ると、将来にわたって経費計上に影響が出る可能性があります。修正申告には手間がかかるため、初期設定は慎重に行うことが大切です。
  • 計上漏れ: 管理費や修繕積立金のほか、物件確認時の交通費や、不動産投資に関連する書籍代なども、事業に関連していれば経費として計上できる場合があります。領収書の管理を習慣化しておくと安心です。
  • 住民税の徴収方法に関する確認不足: 確定申告書の第二表にある「住民税・事業税に関する事項」で「自分で納付(普通徴収)」を選択することで、住民税の納付方法を指定できます。選択内容によっては、勤務先に通知が届く仕組みとなっているため、事前に確認しておきましょう。
  • 領収書の紛失: 領収書や請求書は、原則として7年間の保存が求められます。税務調査時に提示できない場合、経費として認められない可能性があります。

確定申告を怠った場合のペナルティ

「少し遅れても問題ない」「赤字だから申告しなくてもよい」と判断するのは適切ではありません。

期限内に申告を行わなかった場合や、申告内容に不備があった場合には、以下のような税金が課されることがあります。

  • 無申告加算税: 本来の税額に対して一定割合が加算される
  • 延滞税: 申告や納付が遅れた期間に応じて発生
  • 重加算税: 悪質と判断された場合に適用されることがある
  • 青色申告の取り消し:期限後申告が続くと、青色申告の承認が取り消される可能性もあります。

特に不動産投資は取引金額が大きくなりやすいため、税務面の対応は計画的に行うことが重要です。

確定申告を終えた後に整理しておきたい視点

初年度の確定申告を終えると、収支の内訳が明確になり、投資全体の状況を把握しやすくなります。

「収支の構造が理解できた」「次の判断に向けて、検討材料が整理できた」

このように感じる方も多く、次の投資戦略を考えるうえでの整理のタイミングとなります。

  • 今の収支状況で、2棟目は狙えるのか?
  • 今の金利は適正なのか、借り換えの余地はないのか?
  • 節税効果をもっと高める物件選びとは?

こうした疑問を整理する際には、第三者の視点を取り入れることも有効です。

まとめ:無料相談で「あなただけの融資戦略」を確認しよう

初年度の確定申告は、単なる事務手続きではなく、今後の投資計画を整理するための重要なプロセスです。

取得費、減価償却、損益通算、青色申告といった要素を理解することで、数値に基づいた判断がしやすくなります。

もし、ここからさらに投資規模を拡大し、資産形成のスピードを加速させたいとお考えなら、私たちセゾンファンデックスをご活用ください。

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